ひろば100時間読書のログ

東京大学書評委員会ひろばが行う「100時間読書」のログです。

三冊目読了 TenkNiccolo  20:18

『検証 東日本大震災の流言・デマ』 荻上チキ  光文社新書 

・204ページ ・累計ポイント 233+204=437

東日本大震災の流言・デマで主にツイッターなどネット空間に出現したものを集め、分析したのが本書。
2011年5月出版であり、震災発生直後からのデマ・流言を丁寧に扱っている。
twitter,FacebookなどSNSの整備が進んだ日本であるが、それだけに根拠のないデマもより広まりやすくなっている現状にあることが豊富な実例と共にひしひしと感じられる内容である。
 ソフトバンクの社長である孫正義氏ですらツイッター上で震災に関するデマを流してしまったように、デマと事実を峻別することは難しい。本書は、個人個人の情報リテラシーの強化を呼びかけるとともに、技術的な側面からデマ・流言規制の術を模索しており、ネット時代におけるデマに関して多くの示唆を得られる良書である。

 読書家の活動時間帯である深夜が近付いてまいりました。
四冊目は内田樹『先生はえらい』 ・本の方向が目まぐるしく変わっていきます・・・