C.シュミット『大統領の独裁』田中浩・原田武雄訳、未来社
・262ページ ・累計ポイント 138+262=400
戦間期ドイツで活躍した公法学者カール・シュミットによる、ヴァイマル憲法下での大統領非常権限を論じた「ライヒ大統領の独裁」、一般に考えられている司法府ではなくライヒ大統領こそが憲法の番人であると主張した「憲法の番人」(1929年版)を収録。何れも、ヴァイマル憲法が大統領に強力な権限を与えていることを論じており、後のナチス政権による合法的クーデタへの布石となったと看做されている。
結論の過激さに比して、それを導き出す論理展開は精緻で説得力を感じてしまう。これこそがシュミットが放つ危険な魅力なのだろうか。