17冊目読了 TenkNiccolo
・173ページ ・累計ポイント 215+173=388
・1969年5月に行われた、東大全共闘と三島由紀夫の壮絶な討論録。駒場900番教室で行われた。
まず何といっても東大全共闘がいたずらに抽象的・哲学的な難解概念のオンパレードで三島をやりこめようとしていてカオスとでも言うべき言論闘争の様を呈している。
一番最初に、三島が「お互いに相手を理解しないことを前提としながら、一つ今日は言葉をぶつけ合いたい。」と話すが、本当に議論の最後まで両者は平行線をたどり続ける。
なので、内容については特に言うことがない、言ったもの勝ちの概念ゲームが繰り広げられているだけだから。
しかし、本書の最大の魅力はそのわけもわからぬ討論の熱さである。両者互いを殺しにかかっており、その二時間半あまりの記録は一読(一見といった方が良いだろうが)に値する。
いつもは淡々とマスプロ授業が行われる900番教室がここまで熱気を持つのか、と驚かされた。