ひろば100時間読書のログ

東京大学書評委員会ひろばが行う「100時間読書」のログです。

13冊目読了 3:50 TenkNiccolo

橋爪大三郎『はじめての構造主義』 講談社現代新書

・232ページ ・累計ポイント 219+232=451

・予告と違う?まぁ、知らないうちに違う本に手を出すというもの読書の楽しみ、ということで・・。
9冊目に読んだ 内田樹『寝ながら学べる構造主義』文春新書 と構造主義への入門というコンセプトは似ているが、解説する内容は大きく異なる。(ちなみに、本書の方が内田本より古い)

 内田本との差異を簡単に箇条書きにすると
 ・レヴィ・ストロースひとりを中心的に扱う
 ・現代数学構造主義の類似関係へ言及
 ・「遠近法・数学」を構造主義の柱と読み解く

と言ったところ。勿論、どちらの本がいい・わるいという話にはならない。内田本・橋爪本で被る内容はそれほどないので、構造主義入門者は読んでも大丈夫であり、むしろ両方とも読んだ方が構造主義の切り口の多様さに触れられるだろう。
 とはいえ、新書二冊くらいでは構造主義の概要をかろうじてつかめる程度。
 正直、フランス現代思想には、お高くまとった「おフランス」的な衒学さ・難解さを感じてしまうのだが、皆様はいかがだろうか。
 ドイツ語学習者としては、誰か『はじめてのフランクフルト学派』とか書いてくれないか、と思う次第である。