ひろば100時間読書のログ

東京大学書評委員会ひろばが行う「100時間読書」のログです。

六冊目読了 TenkNiccolo

田野大輔『魅惑する帝国 政治の美学化とナチズム』 名古屋大学出版会
・310ページ ・累計ポイント 627+310=937

・徹夜して読み終わりました。ナチスと日常史研究を芸術・美学の視点から捉えた今までのヒトラーナチスイメージを覆す研究書。
 全体主義ファシズムの名前からは、往々にして抑圧された国民、といったイメージが浮かびますが、実際のところ、ナチスと一般国民との関係はよりアンビヴァレントであり、必ずしも強権的な政治・国家体制でもなかったことが詳細に明らかにされています。
 豊富な一次資料をもとにして論述されており、濃厚な内容でした。


七冊目は中勘助銀の匙』・適度なところで寝よう・・