ひろば100時間読書のログ

東京大学書評委員会ひろばが行う「100時間読書」のログです。

22冊目読了 レン

ボトルネック
米澤穂信

獲得ポイント:312
累計ポイント:1342-100+312=1554 ゼリーをまた食べました。

心や感情に対して臆病である少年が自分のいない代わりに「姉」がいる平行世界に行き、その平行世界と元々いた世界がどうして異なっているのかという謎を紐解きます。その中で、クズな自分を理解させられます。その認識を基にどうしたかはこの小説では書かれていません。

作中のキーワードである「なんでもない」ということ。取るに足らず、無力で模倣品である自己をまざまざと見せつけられ、どうしようもない絶望に叩き込まれるシーンはやはり模造品の僕としてもグッとくるものがありました。読者にこういった小説の言葉を覚えておかせるのも作家の技量の一つですね。

美味しい自己嫌悪ごちそうさまでした。基智さんありがとう。

次は、『小説家の作り方』野崎まど! ガンガン行くよー!