ひろば100時間読書のログ

東京大学書評委員会ひろばが行う「100時間読書」のログです。

17冊目読了 レン

本当は恐ろしいグリム童話
桐生操

獲得ポイント:223
累計ポイント:1366-900(睡眠)+223=689

 現代に伝わっているグリム童話は、第七版を基にしているため、初版に比べ残酷や性の描出の箇所が子供に聞かせても差し支えの無い無難なものに改変されています。作者が改変される前の初版を基に、深層心理や暗喩の研究を踏まえた上で創作した作品です。シンデレラや白雪姫などメジャーな童話が掲載されています。
 童話のきれいごとをぶち壊し、物語にドラマトゥルギーを持たせることに成功しています。それに、その予定調和的童話的なもののぶち壊しがとても背徳感を感じさせ、ぞくぞくしました。
 表現の面に関していえば、童話という体裁をとっているためか、癖は無くスラスラ読めると思います。
 中々に楽しめる一冊ですね。

ごちそうさまでした。wihtYさん、ありがとう。

次は『インシテミル』です。一回読んだことある...