ひろば100時間読書のログ

東京大学書評委員会ひろばが行う「100時間読書」のログです。

16冊目読了 レン

星条旗の聞こえない部屋
リービ英雄

獲得ポイント:189
累計ポイント:1287-110+189=1366

 2001年の東大入試国語の第一問にも出題されたリービ英雄氏の文章。アメリカ人外交官を父に持つベンという青年が日本に住み、”完全な”日本人ではないことにコンプレックスを抱きつつも、日本語という言葉、そして、日本を知っていく過程を描いています。Nationalityとindividualityが奇妙な形で絡まり合い、成長する様が興味深いですね。
 リービ英雄氏の作品は、彼に似た境遇の人物を作品に描くので彼に関連付けて読まれています。仕方のないことかもしれませんが、彼がナショナリズムや言語の差異の聞こえない作品を創った時、どうするのでしょうか。そもそも前提がありえないと思いますが。

ごちそうさまでした。sotihさんどうも。

次は『本当は恐ろしいグリム童話桐生操です。題名は聞いたことあるなあ。