ひろば100時間読書のログ

東京大学書評委員会ひろばが行う「100時間読書」のログです。

9冊目読了 withY

withYです。
イッツ・オンリー・トーク 絲山秋子著 188ページ
絲山秋子のデビュー作。
夜眠れない精神病の主人公と立場の異なる男性たちとの物語を描く表題作と、
主人公が乗馬事故で馬を殺してしまった失意から立ち上がるまでの物語、「第七障害」の2本立て。

「イッツ・オンリー・トーク」は
生活、特にセックスに関してさばさばしながらも、
どこかで人とのつながりを求めている主人公には確かに魅力を感じる。
出てくる男性たちもふらっと現れ去っていく。
ストーリーもへったくれもない構成は好みが分かれるか。

一方、「第七障害」はオーソドックスな話だ。
オーソドックスすぎてさらっと読んでそれでおしまい、になってしまう気もする。
こういう話だと失恋や親しい人の死からの立ち直りがよくあるが、
この話は馬の死であり、その点で新鮮と言えなくもない。

次は、
四度目の氷河期 荻原浩
期待。